ホームページのデザインとユーザーの関係

職業柄、多くのホームページを作っている私ですが、お客さんのサイトを作るときに一番迷うのが「どのようなデザインにするか?」ということです。お客さん自身もデザインにある一定のこだわりを持っている方が多く、そのこだわりに対応させるのが時として、私を悩ませます。
今回は、そんな話をしたいと思います。

本来考えるべきはユーザビリティ

私が考えるホームページとは、「ユーザーに分かりやすく情報を伝えるもの」だと思っています。しかし時として、デザインがそれを邪魔することがあります。
例えば、デザイナーやプログラマーがカッコいいデザインのホームページを作成することがあります。黒が基調のデザインで、部分的に動いたり、ピカピカ光ったりするようなサイトです。おそらく見たことがあると思います。
例えば適当に検索してヒットしたページですがここ。カッコいい感じのデザインのサイトです。
でも、こういったページで物を売ったり、サービスを紹介するのは正直難しいと思います。なぜかって言うと、「パッと見で何のサイトか分からないから」です。これはとても重要なことです。
ユーザーはいきなり文章を読もうとは思いませんし、長い文章は余程興味がない限りしっかりとは読みません。では何を始めに見るのか?それは「デザイン」です。パッと見た瞬間、「ここはこういったサイトなんだ!」って印象付けるのが大切なのです。
それこそがユーザービリティの高いサイトだと思います。つまりユーザーにとって使いやすいサイトってことです。ですから、先ほど例に挙げたようなサイトでは、ちょっとユーザビリティの面から言うとキツイと思います。ただし、カッコいいホームページを作る技術という面では優れていると思います。

私の目指すのは平均点なサイト

ということもあり、私はユーザビリティが高いサイトを作りたいといつも考えます。ただし、ユーザーによってデザインの好みは異なります。全員を満足させるサイトはこの世にはないと考えています。
ではどんなサイトを作れば良いのか?
それは「平均点のサイト」です。誰が見ても、「まぁいいんじゃない?こういったことが書いてあるサイトだよね」というのが分かれば良いのです。では私が作る平均点のサイトとは、基本はシンプルです。
なるべく情報をゴチャゴチャさせないようにしたいと考えます。これこそが「ユーザビリティの高いサイト」だと勝手に思っています。

テストを繰り返す

ただし、平均点のサイトを作ったつもりでも、売上が思わしくないサイトが出来てしまうこともあります。そういった時にはテストを行います。いろいろサイト内の情報の場所、デザインの場所を変更し、どの位置に何が来ているときに利益が出やすいのかということをチェックしていきます。
非常に面倒な作業ではありますが、かなり大事なことです。これをLPOと言ったりもします。

お客さんが希望するデザインにならないことも

ということで、私はお客さんのサイトを作るときには、初めに自分の作成したサイトをいくつか見てもらうようにします。そして、「こういったサイトを私は作ります。」とあらかじめ提示します。
なぜなら、お客さんの中にはすでに自分の中で、どういったサイトデザインにしたいのかというイメージを持っている方もいます。しかし、それはそのお客さんの好みのサイトデザインであり、それが売り上げに直結するデザインであるかはお客さん自身分かっていないためです。
「デザインを取るか売り上げを取るか」
こんな話をすることもあります。なので、売上が上がらなさそうなデザインを希望している場合には、初めの段階でお断りすることもあります。

平均点のサイトの重要性を説明するのも仕事

「平均点のサイトの重要性を説明するのも仕事」だと思っています。お客さんの考えがWEBマーケティングの視点から見てちょっと違うなぁと感じたら、何が良くて何が悪いのかをしっかり説明します。そして、どうしてこれが良くて、どうして悪いのかも説明します。
今までのお客さんにはそれを説明してきたつもりです。そして、多くの方が利益を上げてくれています。
カッコいいデザインのサイトを運営したいのは分かります。しかし、案外数字が上がらないことがあるということを覚えていてもらいたいと思います。あくまでも私の経験上ですが・・・。

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